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糖尿病と歯周病の関係とは?悪循環を防ぐためのポイントを解説

健康診断の血液検査結果表のイメージ

歯周病は、お口の中だけでなく、全身の健康にも深く関わる病気です。

特に糖尿病との関係は強く、どちらかが悪化すると、もう一方にも影響を与えることが知られています。

初期のうちは痛みが少なく、気づかないまま進むことも多いため、早めの対策が大切です。

この記事では、歯周病と糖尿病の関係性や、今日から始められる予防法についてわかりやすく解説します。

歯ぐきが腫れてきた」「血糖値がなかなか安定しない」と感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

歯周病とは?静かに進むお口の“炎症サイン”

歯周病の進行や歯ぐきの炎症を示すイラスト

「歯みがきのたびに血が出る」「歯ぐきが少し下がってきた」

そのような症状は、歯周病のはじまりかもしれません。

歯周病は、歯ぐきや歯を支える骨(歯槽骨)に炎症が起こる病気です。

初期の段階では「歯肉炎」と呼ばれ、腫れや出血が見られる程度で、痛みはほとんどありません。

そのため、気づかないうちに進行してしまうケースが多く見られます。

​​日本人の中高年では、約七割に歯周病が認められています。

(参考:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」16章 糖尿病と歯周病

歯を支える骨が溶けると、自然には戻らない

放っておくと炎症が歯の根元に広がり、「歯周炎」へと悪化します。

歯を支える骨が溶けることで歯がぐらつき、最終的には抜けてしまうこともあります。

また、歯と歯ぐきの間にできる「歯周ポケット」に細菌のかたまり(プラーク)がたまると、炎症がさらに深く進行します。

一度深くなった歯周ポケットは自然には戻らないため、歯科医院での専門的なケアが必要です。

「むし歯じゃないから大丈夫」と思っていても、歯周病は静かに進み、歯を失う原因にもなります。

痛みがなくても、早めに歯科でチェックを受けることが、お口と全身の健康を守る第一歩です。

口臭や見た目の変化も要注意サイン

歯周病の軽度から重度までの進行を図で示した画像

歯周病が進むと、歯ぐきがやせて歯が長く見えるようになったり、歯と歯のすき間が広がったりします。

こうした見た目の変化は、歯を支える骨が少しずつ減っているサインです。

また、歯と歯ぐきの間にたまった細菌が原因で、強い口臭が出ることもあります。

一時的な口臭と違い、歯周病による口臭はセルフケアだけでは改善しにくいのが特徴です。

(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病とは」「口腔の健康と全身の健康」)

歯周病と糖尿病はなぜ関係しているの?

「歯ぐきの病気と血糖値が関係あるの?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、近年の研究で、歯周病と糖尿病が互いに影響し合うことが明らかになっています。

2つの病気は“悪循環”の関係

糖尿病になると体の免疫力が下がり、歯ぐきに炎症が起きやすくなります。

その結果、歯周病が発症・悪化しやすくなるのです。

一方で、歯周病があると体内で炎症性物質(サイトカイン)が増え、インスリンの働きを妨げて血糖値が上がりやすくなります。

つまり、糖尿病が歯周病を進め、歯周病が糖尿病を悪化させるという悪循環が生まれてしまうのです。

糖尿病のある方は、そうでない人に比べて歯周病にかかる割合が約2倍といわれています。

(参考:日本歯科医師会「歯周病と糖尿病の関係」)

歯周病は「糖尿病の第6の合併症」

歯周病は、網膜症や腎症などに続く「糖尿病の第6の合併症」として位置づけられています。

それほど両者の関係は深く、糖尿病のコントロールには口腔ケアが欠かせません。

複数の研究では、歯周病治療によりHbA1c(血糖値の指標)が平均0.4%改善したという報告もあります。

薬だけに頼らず、歯科治療が血糖値改善の一助となるケースもあるのです。

(参考:日本歯周病学会「糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン 改訂第3版」)

【今日から実践】歯周病と糖尿病の進行を防ぐ4つの対策

白衣を着た女性医師が指で4のハンドサインをしている写真

歯周病と糖尿病は、どちらも生活習慣が深く関わる病気です。

どちらかの改善を目指すことが、もう一方の予防にもつながります。

ここでは、今日から始められる4つの習慣をご紹介します。

① 歯みがき+αでセルフケアを強化

毎日ていねいにみがいていても、歯と歯ぐきの間には汚れ(プラーク)が残りがちです。

特に歯ぐきが下がりやすくなる中高年期以降は、意識的なケアが重要です。

ケアのポイント

② 食生活・運動・禁煙の見直し

糖分の摂りすぎや運動不足、喫煙は、歯周病と糖尿病どちらにも悪影響を与えます。

見直したい生活習慣

③ 歯科での定期クリーニング

セルフケアだけでは取りきれない汚れや歯石は、歯科医院で除去が必要です。

半年に一度の定期検診が、歯周病の早期発見と予防に役立ちます。

歯科でできること

④ 医科と歯科で情報を共有する

糖尿病の診断を受けている方、または予備軍の方は、内科と歯科の連携が大切です。

血糖値や薬の内容を歯科医に伝えることで、安全で効果的な治療ができます。

連携のポイント

よくある質問

Q. 糖尿病があると歯の治療は受けにくいですか?

血糖値の状態が安定していれば、基本的に問題なく治療を受けられます

ただし、炎症や感染を防ぐため、主治医と情報を共有しながら治療を進めることが大切です。

Q. 歯周病を治療すると血糖値も良くなりますか?

すべての方に同じ効果があるわけではありませんが、歯周病治療で血糖値が改善する例もあります。

お口の炎症を抑えることが、全身の健康維持にもつながります。

Q. どのくらいの頻度で通院すればいい?

目安としては、3〜6か月に1度の定期検診がおすすめです。

糖尿病をお持ちの方は、歯ぐきの状態に応じて短めの間隔でチェックを受けると安心です。

まとめ:お口ケアは健康への第一歩!血糖値が気になる方はまず歯科相談を

女性二人が笑顔で肩を組んでいる写真

歯周病と糖尿病は、どちらも自覚しにくく、気づかないうちに進行してしまう病気です。

だからこそ、日常の中でお口の小さな変化を見逃さないことが大切です。

こうしたサインに思い当たる方は、早めに歯科でのチェックを受けましょう。

🍃星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科では、歯周病学会専門医をはじめ、矯正・補綴・根管治療など各分野の歯科医師が協力しています。

患者さま一人ひとりに合った方法で、健康な口内環境をサポートします。

長く健康な歯を保つためにも、気になることがあればお気軽にご相談ください。

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