
「最近、前より口がにおう気がする…」
そんな不安を抱える方は、50代以降を中心に少なくありません。
年齢に伴ってお口の環境が変化することはよくあり、その影響が口臭に表れやすいこともあります。
この記事では、加齢と口臭の関係、50代で口臭が強まりやすい理由、自分でできるチェック方法などをわかりやすく解説します。
まずは、ご自身の口臭がどのタイプかを知ることから始めてみてください。
目次

年齢を重ねると、口の中ではさまざまな変化が起こります。
こうした変化は誰にでも見られるもので、これが口臭のきっかけになることがあります。
ここでは、特に起こりやすい要因をご紹介します。
唾液には、口の中を洗い流したり、細菌の増殖を抑えたりする働きがあります。
しかし、加齢・ストレス・服薬の影響などにより唾液が減ると、乾燥しやすくなり、細菌が増えやすい環境になります。
いわゆる「ドライマウス」の状態になることで口臭が強く出る場合があります。

舌の表面に白く付く汚れを「舌苔(ぜったい)」と呼びます。
この舌苔には細菌が多く集まっていて、「VSC(揮発性硫黄化合物)」というにおいの強い成分をつくり出します。
加齢などの影響で唾液が減りやすくなると、舌苔が付きやすくなります。

歯ぐきに炎症が出る歯周病や、放置されたむし歯は、細菌の増殖によって独特のにおいを生じます。
また、入れ歯を使用している場合は汚れが残りやすく、洗浄が不十分だと細菌が増えて口臭につながることがあります。
毎日ていねいに適切なケアを続けることが大切です。
口臭には「生理的口臭」と「病的口臭」があります。
「朝はにおいが強いが日中は気にならない」のは生理的なパターンで、「一日中においが続く」場合は病的口臭の可能性があります。

若い頃は気にならなかったのに、50代に入ってから急に気になるようになった、という方は多いです。
ここからは、年齢とともに出やすくなる要因を見ていきます。
女性は50代前後で更年期を迎え、ホルモンバランスが大きく変化します。
女性ホルモンは唾液の分泌にも関わっているため、減少すると口が乾きやすくなり、口臭が強まりやすいと考えられています。
ただし個人差が大きい点には注意が必要です。
高血圧、コレステロール、骨粗しょう症などの薬には「口が乾きやすくなる」副作用を持つものがあります。
薬そのものが悪いわけではありませんが、唾液の量が減ると細菌が増えやすくなります。
その結果、においの原因になることがあるため、気になる場合は医師や歯科医師に相談してみると安心です。
睡眠中に口が開いた状態になると、口の中が乾き、細菌が増えやすくなります。
また、鼻炎や鼻づまりがある方は口呼吸になりやすいため、口臭が出やすくなります。
いびきも同様に乾燥を引き起こす一因となります。

口臭は自分では気づきにくいものです。
以下のポイントをチェックしてみましょう。
舌の表面が白っぽい状態、口の中が乾いてネバつく感じがある場合、細菌が多くなっているサインといえます。
唾液が減っている可能性も考えられます。
起きた直後は誰でもにおいやすいものですが、日中もずっと強い口臭が続く場合は、病的口臭が疑われることがあります。
「朝だけ強い」か「日中も続く」かが判断のポイントです。
次の症状がある場合は、歯周病や清掃不足の可能性があります。
そのままにしておくと、口臭が強くなる原因になります。

加齢や生活習慣が関係している口臭は、毎日の工夫で軽減が期待できます。
ここでは、今日から始められる対策をご紹介します。
歯周病予防と舌苔のケアは、口臭対策の基本です。
歯と歯ぐきの境目、奥歯、裏側などを1本ずつ優しく磨きましょう。
舌のケアは舌ブラシを使い、軽く撫でるように汚れを取ることがポイントです。
強くこすると舌を傷つけるため注意が必要です。
唾液は「口の中を守る洗浄役」として欠かせません。
よく噛んで食べる、無糖のガムをかむ、水分補給をこまめに行うなど、意識的に唾液を増やす行動が効果的です。
また、なるべく鼻呼吸を心がけることも乾燥予防につながります。
喫煙や過度の飲酒は口臭を強めることがあります。
規則正しい生活、十分な睡眠、ストレスケアなども口臭予防に役立ちます。
特に、夜遅い食事や睡眠不足は翌朝のにおいに影響しやすい傾向があります。
保湿ジェルやマウスウォッシュなども、補助的に使うことで唾液不足による不快感を和らげることがあります。
ただし、これだけで改善するわけではないため、日々のケアとあわせて活用することが大切です。

セルフケアを続けても変化がない、または次のような症状がある場合は歯科医院での専門的なケアが必要になることがあります。
歯周病・むし歯・噛み合わせ・義歯の汚れなどが原因となっているケースもあり、専門的なチェックが役立ちます。
「年齢のせいだから」と自己判断せず、気になる場合は相談することが安心につながります。
加齢臭は皮脂の酸化によって生じる体のにおいで、口臭とは別のものです。
清潔にしていても気になる場合、口の中の細菌・唾液不足・歯周病などが関係していることがあります。
マウスウォッシュは一時的に口の中をすっきりさせる効果がありますが、根本的な口臭対策にはなりません。
歯磨き・舌ケア・生活習慣の見直しを基本とし、必要に応じて歯科医院でチェックを受けることをおすすめします。
50代以降は、加齢による唾液量の減少や更年期、薬の影響、口呼吸など複数の要因が重なり、口臭が気になりやすい年代です。
以下のセルフケアは、一般的に口臭対策に役立つとされています。
一方で、強い口臭が続く、歯ぐきの炎症があるなどの症状がある場合は、歯科医院での確認が必要となる場合があります。
「加齢だから仕方ない」と思わず、気になるときは早めに相談し、健康な口元を守っていきましょう。
星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科では、口臭の背景にあることが多い歯周病やむし歯、かみ合わせなどを、まとめて確認しています。
「まずは検診やクリーニングのついでに相談したい」という形でも問題ありません。
口臭のお悩みを一人で抱え込まず、気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
当院では患者さまの歯並びや噛み合わせ、口元に関するお悩みを事前にオンラインでお聞きし、その原因や対処法を丁寧に分かりやすくご説明します。
初回診療をオンラインでできるため、スピーディーかつお気軽にご相談いただくことが可能です。
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