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虫歯治療で保険が使える白い歯は、CAD/CAM冠とCAD/CAMインレーの2種類です。2026年6月の診療報酬改定で大臼歯の条件が外れ、CAD/CAM冠は前歯から奥歯まで対象になりました。当院(星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科)が、対象になる歯の条件と、保険・自費それぞれの費用を整理します。

かぶせ物と詰め物では点数も適用条件も異なり、噛む面だけの虫歯は保険のインレーを選べません(出典: 厚生労働省「令和8年度 歯科点数表」)
虫歯の治療で健康保険が使える白い歯は、かぶせ物のCAD/CAM冠と、詰め物のCAD/CAMインレーの2種類です。どちらも歯科用CAD/CAM装置で設計・製作する補綴物で、点数は1歯につきCAD/CAM冠が1,200点、CAD/CAMインレーが770点と定められています(厚生労働省「令和8年度 歯科点数表」、2026年8月時点)。
CAD/CAM冠は、歯の全体を覆うかぶせ物です。虫歯で歯を大きく失った場合や、神経の治療を終えた歯を補強するときに使います。点数は1歯につき1,200点で、神経を取った奥歯に用いるエンドクラウンという形態では1,450点になります。エンドクラウンは土台をつくる支台築造の費用が点数に含まれるため、別に加算されません。
当院は、CAD/CAM冠を「安い代わりに我慢するもの」ではなく、かかる力と残っている歯質の条件が合えば十分に選べる選択肢だと考えています。まず自分の歯がその条件に当てはまるかを確認してから、自費と比べる方が順序として無理がありません。
CAD/CAMインレーは、虫歯を削った部分に詰める白い詰め物です。対象は臼歯(小臼歯と大臼歯)で、歯の全体を覆う形ではない歯冠修復物として製作した場合に算定されます。点数は1歯につき770点です。
注意したいのは窩洞の形の条件です。隣の歯との接触面を含む窩洞(複雑なもの)に限られるため、噛む面だけの小さな虫歯では保険のCAD/CAMインレーを選べません。この場合は白いプラスチックを直接詰めるコンポジットレジンが保険の選択肢になります。「小さい虫歯なのに白い詰め物は保険外」と説明される背景には、この条件があります。

1本あたりの総額差は約10〜20倍ですが、違いは価格だけでなく材料の系統そのものにあります(出典: 厚生労働省「令和8年度 歯科点数表」「材料価格基準」および当院の料金表に基づく当院整理)
保険で入れる白い歯と自費のセラミックは、名前が似ていても薬事上の材料区分が違います。保険で使う材料の一般的名称は「歯科切削加工用レジン材料」で、レジンブロックまたはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を削り出したものです(厚生労働省「特定保険医療材料の定義について」、2026年8月時点)。陶材を焼き固めるオールセラミックとは、そもそも素材の系統が異なります。
保険のCAD/CAM冠用材料は(Ⅰ)から(Ⅴ)までの5区分に分かれ、区分ごとに硬さや曲げ強さの基準が決められています。奥歯に使える(Ⅲ)は無機質フィラーの質量分率70%以上、ビッカース硬さ75HV0.2以上、3点曲げ強さ240MPa以上という基準を満たすものです。(Ⅴ)はPEEKにフィラーを17〜25%配合した材料で、しなやかさが特徴になります。
一方、前歯に使う(Ⅳ)は、切縁側のエナメル色と歯頸部側のデンティン色、その中間色を積層した構造であることが定義に含まれます。同じ「保険の白い歯」でも、歯の位置によって使う材料の性格が変わるという点は、説明を受けるときに押さえておくと理解が早くなります。
自費のセラミックは、透明感や色調の再現幅が広く、素材を噛む力に合わせて選べます。保険のCAD/CAM冠は材料区分の枠内で選ぶため、色調の細かい調整には限界があります。当院は、この差を「良い・悪い」ではなく到達点の違いとして説明しています。
判断に使える軸を整理すると、次のようになります。
| 判断軸 | 保険のCAD/CAM冠 | 自費のセラミック |
|---|---|---|
| かかる力への対応 | 材料区分ごとに使える歯が決まる(大臼歯は(Ⅲ)(Ⅴ)のみ) | 噛む力に合わせて素材を選べる |
| 削る量 | 全体を覆うかぶせ物のため一定量の削除が必要 | 詰め物型を選べれば削除量を抑えられる場合がある |
| 見た目の到達点 | 単色〜積層構造(前歯用の(Ⅳ)) | 透明感・色調の再現幅が広い |
| 作り直しの扱い | クラウン・ブリッジ維持管理料の対象 | 医院ごとの取り決めによる |
| 1本あたりの総額 | 3割負担で約7,000〜8,400円 | 88,000〜165,000円(当院の税込価格) |
データ出典: 厚生労働省「令和8年度 歯科点数表」「材料価格基準」および当院の料金表に基づく当院整理(2026年8月時点)。
だからこそ、見た目をどこまで求めるかを先に決めておくと、説明を受けたときの判断が速くなります。

4つの分岐をたどれば、自分の歯が保険で白くできるかを受診前に見当づけられます(出典: 厚生労働省「令和8年度 歯科点数表 留意事項通知」)
2026年6月の診療報酬改定以降、保険のCAD/CAM冠は前歯・小臼歯・大臼歯のすべてが対象です。ただし大臼歯はCAD/CAM冠用材料(Ⅲ)または(Ⅴ)を使う場合に限られ、後継永久歯が先天的に欠如している乳歯も新たに対象へ加わりました(厚生労働省「令和8年度 歯科点数表 留意事項通知」、2026年8月時点)。
歯の位置ごとに、使える材料区分と窓口負担の目安をまとめます。
| 対象になる歯 | 使う材料区分 | 保険で白くできるか | 窓口負担の目安(3割) |
|---|---|---|---|
| 前歯 | (Ⅳ) | ○ | 約7,520円 |
| 小臼歯 | (Ⅰ)(Ⅱ) | ○ | 約6,960〜7,040円 |
| 大臼歯 | (Ⅲ)(Ⅴ) | ○ | 約7,350〜8,380円 |
| 後継永久歯が欠如している乳歯 | 永久歯に準じて算定 | ○ | 使う材料により変動 |
| 大臼歯に(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅳ)を使う場合 | — | × | — |
データ出典: 厚生労働省「令和8年度 歯科点数表 留意事項通知」および「材料価格基準」の公表値を基に当院換算(2026年8月時点)。生活歯に装着した場合の目安。
同じ「奥歯を白くしたい」でも、使う材料区分によって保険で入るかどうかが分かれます。だから、治療前に「どの材料区分を使う予定か」を確認しておくと、会計時の食い違いを防げます。
奥歯を白くできるかどうかの条件は、2026年6月に大きく変わりました。厚生労働省の個別改定項目では、CAD/CAM冠とCAD/CAMインレーの活用が進むよう「大臼歯の咬合支持等の要件を見直す」と示されています(厚生労働省「個別改定項目について」、2026年8月時点)。
| 項目 | 2026年5月まで | 2026年6月から |
|---|---|---|
| 大臼歯のCAD/CAM冠 | 第一・第二大臼歯に限り、反対側に大臼歯の咬合支持があるなどの条件付き | 咬合支持の条件が削除され、すべての大臼歯が対象 |
| 乳歯への適用 | 規定なし | 後継永久歯が先天的に欠如している乳歯を追加 |
| CAD/CAMインレーの点数 | 750点 | 770点 |
| 光学印象の対象 | CAD/CAMインレーのみ | CAD/CAM冠にも拡大(150点) |
データ出典: 厚生労働省「個別改定項目について」(令和8年2月13日)の新旧対照に基づく当院整理(2026年8月時点)。
日本歯科医学会も、大臼歯では装着部位の違いがトラブルの発生に影響しないという報告を受け、材料(Ⅲ)を使う場合でもすべての大臼歯へ応用できるようになったと説明しています。当院はこれを、数年前の情報のまま「奥歯は保険で白くできない」と諦めてしまうことの方が、いまは損につながる変更だと受け止めています。以前そう説明された方も、いまの条件で判定し直す価値があります。
詰め物側の条件は、歯の位置よりも削った穴の形で決まります。CAD/CAMインレーが認められるのは隣接歯との接触面を含む窩洞(複雑なもの)に限られ、小臼歯・大臼歯・後継永久歯が先天性に欠如している乳臼歯が対象です。
日本歯科医学会の指針でも、適応は小臼歯・大臼歯の隣接面を含む複雑窩洞と、直接法による修復が困難な複雑窩洞とされています(日本歯科医学会「CAD/CAMインレーに関する基本的な考え方」、2026年8月時点)。虫歯の位置が歯と歯の間まで及んでいるかどうかで、保険の白い詰め物を選べるかが決まります。レントゲンで隣接面の広がりを確認してもらうと判断がつきます。
CAD/CAM冠もCAD/CAMインレーも、厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関でのみ算定できます。届出のない歯科医院では、条件を満たす歯であっても保険で白い歯を入れられません。
2026年6月からは、デジタル印象採得装置で型取りと噛み合わせの記録を行う光学印象がCAD/CAM冠にも使えるようになりました。届出をしている医院かどうかは、受診前に電話やWEB予約時の相談で確認できます。
要点: 保険で白くできるかは「歯の位置」「使う材料区分」「窩洞の形」「医院の届出」の4点で決まり、2026年6月以降は大臼歯の咬合支持の条件が不要になりました。

かぶせ物の点数は総額の一部にすぎず、窓口負担は積み上げた総額で決まります(出典: 厚生労働省「令和8年度 歯科点数表」「材料価格基準」の公表値を基に当院換算)
奥歯にCAD/CAM冠を1本入れたときの窓口負担は、3割負担でおよそ7,350円です。これは歯を削る処置から装着までの点数と材料料を合計した金額で、初診料・エックス線検査・虫歯を取り除く処置や根管治療の費用は含みません(厚生労働省「令和8年度 歯科点数表」の公表値を基に当院換算、2026年8月時点)。
「保険なら数千円」と聞いていたのに会計で1万円を超えた、という食い違いは、かぶせ物そのものの点数だけを見ていると起こります。実際には歯を削る処置・型取り・装着がそれぞれ点数として積み上がり、かぶせ物の点数はその一部にすぎません。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| 歯を削る処置(生活歯歯冠形成+CAD/CAM冠加算) | 796点 |
| 型取り(連合印象) | 64点 |
| 噛み合わせの記録(咬合採得) | 18点 |
| 装着+内面処理加算 | 100点 |
| CAD/CAM冠 | 1,200点 |
| 材料料(大臼歯用の(Ⅲ)) | 273点 |
| 合計 | 2,451点=24,510円 |
| 3割負担の窓口負担 | 約7,350円 |
データ出典: 厚生労働省「令和8年度 歯科点数表」「材料価格基準」の公表値を基に当院換算(2026年8月時点)。生活歯の大臼歯に装着した場合。神経を取った歯では歯を削る処置が636点となり、窓口負担は約480円下がります。
詰め物のCAD/CAMインレーであれば、同じ考え方で合計1,298〜1,325点、3割負担でおよそ3,900〜4,000円が目安です。当院が内訳まで示すのは、総額の見通しが立っていないまま治療が進むこと自体が、後からの不信につながるためです。見積もりを受け取るときは、かぶせ物の点数ではなく総額で確認してください。
当院では、前歯セラミック(PFZ)を110,000円、前歯ハイグレードセラミックを165,000円、臼歯セラミック(ジルコニア)を88,000円、ラミネートベニアを135,000円(いずれも税込)で提供しています(審美歯科(セラミック))。
自費を選んだ場合でも、負担を軽くする方法はあります。国税庁は「金やポーセレンは歯の治療材料として一般的に使用されているといえますから、これらを使った治療の対価は、医療費控除の対象になります」としています(国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」、令和7年4月1日現在の法令等に基づく内容・2026年8月時点で確認)。同じページでは歯列矯正を例に、容ぼうを美化するための費用は医療費控除の対象にならないとも示されています。当院は、治療目的で入れた補綴物であれば申告の候補になると考えており、領収書を年内分まとめて保管しておくことをおすすめします。適用の可否は個別の事情によって変わるため、最終的な判断は所轄の税務署または税理士にご確認ください。
要点: 保険のCAD/CAM冠は1本あたり約7,350円、CAD/CAMインレーは約3,900〜4,000円が窓口負担の目安で、自費を選ぶ場合も治療目的なら医療費控除の対象になります。
保険のCAD/CAM冠は、噛み合わせの隙間が足りない歯や、歯冠の高さが低い歯には向きません。日本歯科医学会は、咬合面のクリアランスを確保できない臼歯部症例、過小な歯冠高径症例、顕著な咬耗(ブラキシズム)症例などを推奨できない症例として挙げています(日本歯科医学会「CAD/CAM冠に関する基本的な考え方」、2026年8月時点)。
かぶせ物について、推奨できないとされているのは次の症例です。
あわせて、部分床義歯のばねをかける歯、実質的に一番奥になる臼歯、高度な審美性を求める場合は「考慮すべき事項」とされています。詰め物側でも、強い咬合圧を受ける臼歯や習慣性のブラキシズムがある臼歯は推奨されていません。
保険か自費かという相談は、費用と持ちの良さを比べる話に寄りやすいテーマです。当院はその前に、その歯にかかる力と、残っている歯質の量を確認します。上に挙げた条件に当てはまる歯では、どの材料を選んでも欠けや脱離が起きやすく、材料の議論をしても結論が出ないためです。
歯は一度削ると元に戻らないため、当院は虫歯治療の段階でも、詰め物で済む状態か、かぶせ物が必要な状態かの判定を先に行います。削る量は歯の寿命に直結します。また、神経の治療を終えた歯の被せ物は、前工程である根管治療の質が予後を左右します。当院には口腔外科・補綴・歯周病・歯内療法それぞれの専門医が在籍しており、こうした工程をまたぐ判断を院内で連携して進めています。個別の症状や適応の可否は、歯科医師にご相談ください。
厳密には異なります。保険で使う材料の一般的名称は「歯科切削加工用レジン材料」で、レジンブロックまたはPEEKを削り出したものです。セラミックの粉体を含む製品もありますが、陶材を焼き固めた自費のオールセラミックとは材料区分が別になります。説明を受けるときは「保険のCAD/CAM冠ですか、自費のセラミックですか」と確認すると行き違いを防げます。
できます。2026年6月以降、大臼歯にCAD/CAM冠用材料(Ⅲ)または(Ⅴ)を使う場合であれば、咬合支持の条件なしに算定できるようになりました。ただし施設基準の届出をしている歯科医院に限られ、咬合面のクリアランスなど歯の側の条件も満たす必要があります。
CAD/CAMインレーは隣接歯との接触面を含む窩洞(複雑なもの)に限られるため、噛む面だけの小さな窩洞では選べません。この場合は白いプラスチックを直接詰めるコンポジットレジンが保険の選択肢になります。
CAD/CAM冠はクラウン・ブリッジ維持管理料の対象です。厚生労働省の歯科点数表では、この管理料を算定した歯科医院において、装着した日から起算して2年以内に同じ補綴部位の新しい補綴物を製作・装着した場合、その費用は管理料に含まれると定められています。2026年6月の改定では対象範囲も見直されました(厚生労働省「個別改定項目について」、2026年8月時点)。まずは装着した医院にご連絡ください。
虫歯治療で保険が使える白い歯は、かぶせ物のCAD/CAM冠と詰め物のCAD/CAMインレーの2種類です。2026年6月の改定で大臼歯の咬合支持の条件がなくなり、前歯から奥歯まで対象が広がりました。窓口負担は3割でCAD/CAM冠が約7,350円、CAD/CAMインレーが約3,900〜4,000円が目安です。
自分の歯の位置と窩洞の形、噛み合わせの条件が分かれば、保険で白くするか、見た目を優先して自費のセラミックにするかを、費用の見通しを持ったまま選べるようになります。銀歯を気にせず口を開けられる状態は、条件を確認するところから始まります。