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非抜歯矯正そのものではなく、必要な場所を確保しないまま歯を並べたときに前歯が前へ傾き、口元が出ます。日本矯正歯科学会は、歯の重なりが軽く歯列を広げることで噛み合わせの改善が見込まれる症例などを、歯を抜かない治療が向くケースとして指針に示しています(アライナー型矯正装置による治療指針)。この記事では、口元が出る仕組みと分かれる条件、相談前に確認できることを整理します。

「ゴリラ顔」と呼ばれているのは、上下の前歯と唇が前に出て、口を楽に閉じにくい状態です。日本矯正歯科学会は、上顎前突(じょうがくぜんとつ。いわゆる出っ歯)について、上の前歯が前に傾いている場合と、下のあごが小さい・後ろにあることで見かけ上そう見える場合があると説明しています(矯正歯科治療について)。呼び名ではなく、どちらに近いかを先に確かめます。
同学会が挙げる歯並びのセルフチェックでは、「横顔で唇がひどく出ていたり、引っ込んでいることはないか」と「上の前歯や下の前歯が前方に出ていないか」が別々の項目として並んでいます。唇の出方と前歯の位置は連動しますが、同じではありません。星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科もこの2つは分けて確認しています。まず手元でできるのは、横顔を撮った写真で唇の位置を見ておくことです(以降は「口元の突出」と呼びます)。
先ほどの指針は、歯を抜かない治療で対応できる範囲を具体的に挙げており、非抜歯はそのなかの選択肢です。問題になるのは、この範囲の見極めを外したときです。星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科は「絶対に治らない」とも「すべて治せる」とも言い切らず、症例を丁寧に見たうえで向き不向きを判断できる体制があるかどうかを重視しています(矯正歯科の診療案内)。勧める説明も否定する説明も、根拠が自分の検査結果にあるかで判断してください。すでに治療後の口元が気になっている場合は、非抜歯矯正で出っ歯になったのはなぜ?で切り分け方を扱っています。

歯を並べるのに必要な幅が、抜かずに作れる幅を超えると、余った分だけ前歯が前へ傾きます。日本臨床矯正歯科医会は、あごの大きさと歯の大きさのアンバランスが限度を超える場合には、抜歯でスペースをつくる必要があると説明しています(日本臨床矯正歯科医会)。原因は装置の種類ではなく、場所の過不足です。
歯ならびがデコボコになっている状態を叢生(そうせい)といいます。日本矯正歯科学会は、叢生が骨の大きさと歯の大きさとのアンバランスで起こると説明しています。重なった歯を横一列に並べ直すと、前後にずれて収まっていた歯が横方向へ展開するため、必要な幅は今より増えます。増えた分を奥へ、横へ、歯と歯の間のすき間で吸収できれば口元は変わりません。吸収しきれなかった分は前へ向かい、歯が前へ傾けば唇も一緒に前へ出ます。
歯を抜かずに場所を作る方法は大きく3つあります。奥歯を後ろへ動かす遠心移動、歯列を横に広げる拡大、歯と歯の間のエナメル質をわずかに削ってすき間を作るIPR(ディスキング)です。作れる量の上限は、歯をどう動かすかで変わります。日本矯正歯科学会の指針も、マウスピース型(アライナー型)矯正装置の留意点として、歯を根ごと平行に動かすより傾ける動きが多くなることを挙げています。
| 場所の作り方 | 主な動かし方 | 上限になりやすい点 |
|---|---|---|
| 奥歯を後ろへ動かす(遠心移動) | 歯を傾ける動きになりやすい | 後ろに空いた骨の量、親知らずの有無 |
| 歯列を横に広げる(拡大) | あごを広げるのではなく歯を外側へ傾ける | 傾けられる範囲。適応症例が限られる |
| 歯と歯の間を削る(IPR・ディスキング) | 歯の幅そのものを減らす | 削れるエナメル質の厚みの範囲 |
表は、上記の指針と日本臨床矯正歯科医会の見解にある移動様式・適応の説明にもとづき星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科が整理しました。同会は、予定した効果が出ないときには別の装置でリカバーしなければならないとも述べています(本会の見解)。装置の名前よりも、合わなかったときの進め方を医院が示せるかを相談で確認してください。
取り外し式の装置で歯ならびを広げる方法を床矯正(しょうきょうせい)といいます。日本臨床矯正歯科医会は、拡大床による歯の移動様式は顎を拡大するわけではなく歯を傾斜させるため、適応症例は限られると述べています(拡大床使用に関しての本会の見解)。同会は同時に、使用そのものを否定はせず、適切な検査診断のもとで計画の一部として使うことはあるとも説明しています(同会FAQ)。星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科も、広げること自体ではなく、どこまで広げ、その後どう安定させるのかまで説明されているかを見ています。
口元が前に出るかどうかを決めているのは装置の種類ではなく、並べるのに必要な幅と、抜かずに作れる幅の差です。

口元が出る人と出ない人は、歯の重なりの量と、口元をどれだけ下げたいかという希望の強さで分かれます。日本矯正歯科学会の指針は、歯を抜かない治療で対応できる症例と、推奨されない症例を具体的に挙げています。自分がどちらに近いかは、次の条件と照らし合わせるとおおよその見当がつきます。
指針が歯を抜かない治療で対応できる症例として挙げているのは、次の3つです。
推奨されない症例には、抜歯が必要な症例、歯を大きく動かす必要がある症例、骨格そのものに不正がある症例などがあります。星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科では、この見極めを装置を決める前に済ませます。装置と費用の話ではなく、検査結果の話から始まる相談を選んでください。
日本臨床矯正歯科医会は、歯を抜かなければならない主な条件として次の3つを挙げています。
3つ目について同会は、口元は歯の位置に連動するため、横から見て口元が前に出ている場合には抜歯により歯を後方へ移動して口元を改善する、と説明しています。大人はあごの大きさが完成しているため、抜いたスペースを使って前歯を後方へ下げます(大人と子どもの治療の違い)。非抜歯側にも、あごの骨に一時的に小さなネジを入れて支えにするアンカースクリューで奥歯を後ろへ動かす方法はありますが、作れる量には限りがあります。口元を下げたい希望が強いほど、抜歯を含む計画と比べたうえで決める場面になります。
学会が示す条件は臨床の言葉のため、星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科では次の3行に置き換えて確認していただいています。
| 学会が挙げる条件 | 自分で確認できるサイン | 相談で確認すること |
|---|---|---|
| 歯とあごの大きさのアンバランス | 歯の重なりがどのくらいあるか | 並べるのに必要な幅と、作れる幅の見積もり |
| 横顔・口元の突出 | 横顔の写真で唇が前に出ていないか | 口元を下げたい希望をどこまで計画に入れられるか |
| 歯を大きく動かす必要があるか | 前歯を今よりどれだけ下げたいか | 非抜歯で足りない場合の代わりの計画 |
左の列は日本矯正歯科学会のセルフチェック項目・治療指針と、日本臨床矯正歯科医会が挙げる抜歯が必要な3条件にもとづき、中央と右の列は星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科が相談で扱う確認内容です。
公開している症例では、上下の歯列の乱れと上の前歯の突出感に対し、インビザライン・フルによる非抜歯矯正とゴムかけで対応しました。費用880,000円(税込)、治療期間1年5ヶ月、通院1〜2ヶ月に1回です。リスク・副作用には、歯肉退縮やブラックトライアングルが生じる可能性、途中でワイヤー矯正へ変更する場合があること、口元を大きく下げたい場合は便宜抜歯を行わないと改善が難しい場合があることを記載しています(非抜歯矯正で改善した症例)。非抜歯で扱える範囲と、口元をどれだけ下げたいかという希望は必ずしも一致しないためです。
おおよその見当は自分でつけられますが、確定するのは、検査で必要な幅と作れる幅を見積もった後です。

口元が前に出るかどうかの大部分は、装置を選ぶ前の検査と治療計画の段階で決まります。日本矯正歯科学会は、矯正歯科検査として問診、口腔内診査、レントゲン写真、顔と口の写真、歯型の5つを挙げています。装着時間や治療後の管理も結果に関わりますが、進む方向を決めるのは最初の検査と計画です。
5つの検査のうち、口元の見通しに直結するのは横顔のレントゲン写真です。横顔の骨と歯の位置関係を規格どおりに撮るこのレントゲンを、頭部X線規格写真(セファロ)といいます。日本臨床矯正歯科医会は「6つの指針」の重要項目の第1にこの検査を挙げ、診断のグローバル・スタンダードとしています(6つの指針)。
日本矯正歯科学会がアライナー型矯正装置による治療指針をまとめる際に行ったアンケートでは、マウスピース型(アライナー型)矯正装置による治療に専門的技量が必要かを尋ねた設問に、回答総数162件のうち99%が必要と回答しています。装置よりも診断と技量の側に論点があることを示す調査です。
星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科はCTで骨の形と歯の根を0.1mm単位で立体的に確認し、歯の傾きの問題か骨格の問題かを切り分けています。横顔の資料を撮らないまま装置と費用だけが提示された場合は、その根拠を聞き直してください。
日本臨床矯正歯科医会の6つの指針は、治療計画の説明に、治療装置とその効果、治療期間、保定、後戻りの可能性、メリット・デメリット、そして抜歯・非抜歯についての説明を含めるとしています。保定とは、動かし終えた歯が元の位置へ戻ろうとするのを防ぐために装置を使い続けることです。
抜歯か非抜歯かという結論だけでなく、なぜ非抜歯で足りるのかの内訳、つまりどこにどれだけ場所を作るのかまで説明してもらってください。
歯を抜かない矯正の相談先は、装置の種類ではなく、決める前に検査と診断を済ませているかで選べます。非抜歯で足りない場合の代わりの計画を示せるか、抜歯や外科的な処置が必要になったときに院内または連携で対応できるかも確認できます。この3つは初回の相談でそのまま質問できます。
装置の価格や通院回数だけで比べると、口元の仕上がりを左右する診断の中身が比較の対象に入りません。途中で計画を切り替えることになったとき、誰がどこで再検査と説明をするのかも先に確認してください。
星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科は、装置を決める前に外科的な処置の可能性まで視野に入れて診査と診断を行います。骨の形や歯の根は日本口腔外科学会専門医を含むチームで確認し、症例に応じてワイヤー矯正の専門医とも連携します。院長のインビザライン実績は約1,000症例です。
歯を抜きたくない、けれど横顔の口元も下げたい——その両方を一度に相談したい方に向いています。口元を大きく下げることが最優先の場合は、抜歯を含む計画のほうが希望に近づくことがあります。矯正相談は無料で、費用が発生するのは矯正検査・診断料55,000円(税込)からです。
一律の数値はありません。下がる量は、その人の歯の重なりと、抜かずに作れる場所の量で変わるためです。日本矯正歯科学会の指針も、歯を大きく動かす必要がある症例を推奨対象から外しています。ミリ単位の見通しは、検査のうえで自分のケースの見積もりを出してもらってください。
後戻りは抜歯・非抜歯にかかわらず起こります。日本矯正歯科学会は、移動完了直後の歯はかなり動揺しており、保定装置を使用しなければもとの状態に戻ってしまうこと、通常1年以上はできるだけ毎日保定装置を使用する必要があることを説明しています。
取り外し式の拡大床では、あごの骨自体が広がるわけではありません。日本臨床矯正歯科医会は、拡大床による歯の移動様式は主に歯の傾斜により起こるため、適用症例は限られると説明しています。同会は使用そのものを否定してはおらず、適切な検査診断のもとで計画の一部として使われることはあります。
治療中の見え方だけでは、計画どおりに進んでいる途中なのか、計画とずれているのかをご自身で区別できません。放置せず、担当医に現在の歯の位置と最終的な見通しを確認してください。すでに治療が終わっている場合は、非抜歯矯正で出っ歯になったのはなぜ?で切り分け方をご覧ください。
受けられます。星ヶ丘リーフ歯科・矯正歯科の矯正相談は無料で、矯正方法を決める前に外科的な処置の可能性まで含めた診査と診断を行い、インビザラインが適しているかどうかをお伝えします。骨の形や歯の根の状態は、日本口腔外科学会専門医を含むチームで確認します。検査へ進む場合の矯正検査・診断料は55,000円(税込)です。WEB予約は24時間受け付けています。
非抜歯矯正そのものが口元を出すのではなく、必要な幅を確保しないまま歯を並べたときに前歯が前へ傾きます。分かれ目は、歯の重なりの量と、口元をどれだけ下げたいかという希望の強さで、確定するのは検査の後です。相談では横顔の資料を撮ったうえで、なぜ非抜歯で足りるのかまで説明してもらってください。抜歯の可能性も含めて見通しを立てたい方には、矯正と口腔外科を同じ院内で相談できる体制が向いています。
この記事は一般的な情報であり、実際の状態や適応は個別に異なります。個別の症状は歯科医師の診察を受けたうえでご判断ください。